4.石巻の惨状と次の避難所でのあたたかい交流

 次の日の午前中、私たちは石巻に向かいました。石巻は、東松島市の野蒜地区よりも被害が広範囲にわたっていました。
 家の建物部分が無く、コンクリートの土台だけになっている所に瓦礫が積んであり、ベニヤ板に赤字で大きく「済」と書かれていました。恐らくご遺体の捜索が終わっているという印なのでしょう。
 整然とした住宅街であったと思われるその場所に、喪服姿の人や、花を瓦礫の上に手向ける人がいました。私たちの車は岡山ナンバーなので、物見遊山に来たと思われやしないかと少しドキドキしました。
 少し走ると、ある一角がテープで区切られて「立ち入り禁止」になっていました。全国から来た警察の車両が時々見回りで走っていますが、それでも火事場泥棒は多いらしいのです。
 自衛隊の車両がひっきりなしに走っていました。私はすれ違うたびに、思わず“敬礼”したくなりました。

 そういえば前の日に行った避難所で演奏した後、被災者の男性が私にコーヒーを入れてくれました。ありがたくいただくと、「こんなものしかねーけどよー」と言って出して下さったのは、
くるみゆべし!!!
私の大好きなくるみゆべしだったのです。
 こういう場所でどのくらい明るく振舞ったら良いのかよくわからないけれど、こういう時はたぶん素直な気持ちを表してもいいだろうと思い、喜んで食べさせていただきました。


甘すぎず、とても上品な味でしだ。
聞くところによると、石巻では美味しいと評判のお店だそうです。
電話で注文すると、全国どこでも発送してくれるとのことなので、皆さんも良かったら石巻復興支援のつもりで買ってみませんか?

ふしみ屋菓子店
宮城県石巻市丸井戸二丁目1-4
TEL:0225-22-0297

1.私が見た被災地 2.被災地行きのきっかけ 3.初めての避難所と歯科医師の苦悩 5.ミッション 6.最後の夜 7.とにかく行動してみませんか?

体験談
inserted by FC2 system