今回の東日本大震災とそれによって引き起こされた原発の事故は、ここ名古屋ではどこか遠い場所での出来事という感覚がありながらも、私は毎日落ち着かない日々を過ごしていました。テレビ、新聞、インターネット、何を見ても現地の悲惨な状況を映すばかりで、どこか無力感を抱えてもいました。
福島に住む友人は、ブログで辛い気持ちを吐露していたのですが、ある時彼女からメールが来て、「誰にでもできることがあるはず。何か考えて。」と書かれていました。その言葉に背中を押され、偶然が重なったこともあって、被災地に行ける状況があっという間に整ってしまい、私は行くことになりました。4月29日から5月3日までという、大変短い間ではありましたが。
今回一緒に行ったのは、岡山の鍼灸師Tさん(40歳男性)、京都のアロマテラピストKちゃん(32歳女性)、長野の介護ヘルパーMさん(49歳女性)です。
岡山のTさんが、患者さんが貸して下さった大きな車に支援物資を乗せて、京都、名古屋、長野と私たちをピックアップしてくれたのです。そして新潟を経由し、福島をかすめ、宮城県へ入りました。
私たちを受け入れて下さったのは、宮城県宮城郡松島町の樋口秀吉(すごい名前ですよね)先生で、宮城県鍼灸師会会長をされている方です。先生のお宅も、地震のために一階の壁が全部落ちてしまい、ブルーシートや断熱シートで応急処置をしていました。玄関は扉が半分無くなっており、2階のトイレのドアもきちんと閉まらない状態でした。
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